大きな一件を、
自分の名前でまとめる。
同じM&A仲介でも、工程を切り分けて回す分業型と、ひとりがソーシングからクロージングまで担う一気通貫型があります。 個人の力で大きな案件を取りにいけるのは、後者だけです。 報酬は成約額に連動するレーマン方式が基本。つまり「どれだけ大きな一件を、自分でまとめきったか」が、そのまま年収になります。 未経験からでも入口はあります。ただし、分業の仕組みに守ってもらえる世界ではありません。
出典:各社の有価証券報告書・統合報告書に基づく公表値/給与所得者平均は国税庁「民間給与実態統計調査」。
※ 全社員の平均値であり、入社1年目の年収を示すものではありません。仲介手数料は譲渡価額に料率を乗じるレーマン方式が基本で、報酬は成約インセンティブに大きく依存します。同じ会社・同じ年次でも、担当した案件の規模と本数で年収は数倍の幅で開きます。
01 — 市場は、量も規模も伸びている
件数は過去最多。
金額は、その比ではない。
2025年の日本企業のM&Aは、件数が5,115件(前年比 +8.8%)で2年連続の過去最多。 一方で取引金額は35.7兆円、前年比 +74.7%と、件数の伸びをはるかに上回りました。 市場が広がっているだけでなく、一件あたりの規模も動いているということです。 土台にあるのは事業承継のニーズ。後継者不在率はなお2社に1社で、後継者候補として最も多いのは、いまや親族ではなく「非同族」(41.0%)。 「息子が継ぐ」という前提が崩れた結果、第三者への譲渡が中小企業の標準になりつつあります。
出典:レコフデータ
出典:レコフデータ
出典:帝国データバンク
報酬が譲渡価額に連動する以上、担当する案件の規模は、そのまま自分の年収の上限になります。 だから見るべきは「未経験を採ってくれるか」だけではありません。 その会社で、自分がどこまで大きな案件に手を伸ばせるのか。そこは、次の章の「型」でほぼ決まります。
一気通貫か、分業か。
ここで、キャリアが決まります。
求人票の給与欄より先に見るべきはここです。同じ「M&Aコンサルタント」という職種名でも、任される範囲がまったく違います。
一気通貫型END-TO-END
分業型SPECIALIZED
※ 実際には両者の中間にあたるチーム制を採る会社もあり、同じ会社でも部門や年次によって運用が異なります。 求人票には「一気通貫」「分業」と書かれていないことがほとんどなので、実際の担当範囲は面談で個別にお伝えします。 大きな案件を自分の判断でまとめきりたい方には、一気通貫型を軸にご提案します。
年収だけの話にすると、
たぶん続きません。
報酬は間違いなく大きい。ただ、実際に長く続けている人が口を揃えるのは、別のところにある価値のほうです。
案件の規模が、そのまま年収になる
仲介手数料は譲渡価額に料率を乗じるレーマン方式。大きな一件をまとめれば、それが直接インセンティブに反映されます。年功でも社内評価でもなく、自分が動かした金額で決まる。裏を返せば、成約がなければ伸びません。
誰の承認も待たずに、動ける
どの会社にアプローチし、どの買い手を当て、どう条件を組むか。一気通貫型なら、案件の設計を自分の判断で進められます。上司の指示を待って動く仕事ではありません。成果も責任も、まとめて自分に返ってきます。
最初から、社長と一対一で向き合う
担当窓口は原則としてオーナー社長本人。会社の売却という人生最大級の意思決定を、代理人ではなく本人と詰めます。「決められる人」とだけ仕事をする経験は、この年次では他で得られません。
ひとりで完結できる人材になる
企業価値評価、株式譲渡と事業譲渡の設計、デューデリジェンス対応。一件を丸ごと担うと、M&Aを単独で成立させられる状態に届きます。数年後にブティックを立ち上げる、独立する——その選択肢まで手が届く職種です。
個人で数字を作ってきた人が、
いちばん早く立ち上がります。
一気通貫型で評価されるのは、仕組みの中で成果を出した経験より、自分の判断と足で数字を作った経験です。M&Aの専門知識は入社後に学べる前提で、選考ではその手前の力が見られます。
無形商材の法人営業(トップ層)
人材・広告・保険・不動産・SaaSなど。単価の大きい商材で、自分の裁量で決裁者を落としてきた実績があるほど評価されます。値段のないものを価値づけして売る力は、そのままM&Aの仕事です。
銀行・証券・保険(法人渉外)
地銀・信金の法人渉外、証券の法人・富裕層営業、生保の法人開拓。決算書が読め、オーナー社長と資産と資金の話ができる時点で、大型案件に手が届くのが早い層です。
会計事務所・税理士法人・監査法人
数字の裏側を読む力があり、経営者からの信頼も得やすい。一方で「提案して動かす」側への転換が論点になります。そこを補える求人を選びます。
事業会社の経営企画・財務・法務
買い手側の論理を内側から知っている強み。仲介だけでなく、FASや事業会社のM&A・PMI部門という選択肢も同時に検討できます。
※ 上記に当てはまらない場合でも、経営者と直接向き合ってきた経験があれば選考対象になり得ます。まずは職務経歴をお持ちください。
1件が、半年から数年。
その全部を、自分で持つ。
一気通貫型では、以下の5工程をすべて同じ担当が担います。「営業して終わり」でも「実行だけ」でもありません。
ソーシング
譲渡を検討する企業を探し、社長と接点をつくる。手紙・紹介・金融機関や士業との連携など、入口づくりが最初の勝負です。
提案・受託
会社の状況と社長の意向を聞き取り、譲渡の選択肢を整理。企業価値の目線を示し、仲介契約に至ります。
資料作成・マッチング
決算書と事業内容から企業概要書をつくり、買い手候補を選定。ここで財務・事業への理解が問われます。
交渉・デューデリ
トップ面談、基本合意、買収監査。条件と感情の両方を調整する、案件で最も難しいフェーズです。
最終契約・クロージング
契約締結と決済。譲渡側の社長にとっては人生の節目であり、その場に立ち会えるのがこの仕事の核心です。
一気通貫は、
誰にでも勧められません。
裁量が大きいということは、守ってくれる仕組みがないということです。良い面と同じ分量で、厳しい面もお伝えします。
一気通貫が向いている人
- 成果が自分に紐づかないと納得できない人。チームの成果として均されるより、自分の一件として評価されたい。
- 大きな一件を狙いにいきたい人。小口を数多く回すより、規模のある案件に時間をかけたい。
- 誰にも聞かずに決めて進める人。手順が用意されていない状態を、むしろ動きやすいと感じる。
- 年上の経営者に、対等に向き合える人。20代でも、60代の社長に言うべきことを言える。
- 結果が出るまで待てる人。1件が半年〜数年。長い沈黙に耐えられる。
- 守秘を徹底できる人。従業員にも知らせずに進む案件が大半。口の堅さは適性そのものです。
分業型のほうが合う人
- 安定した月給が最優先の人。一気通貫はインセンティブ比率が高く、成約がない期間は収入が伸びません。
- 教わりながら覚えたい人。一気通貫の教育は現場中心。体系的な研修を望むなら分業型が現実的です。
- 自分の得意工程を極めたい人。営業もDDも交渉も全部、が負荷になるなら、専門特化のほうが伸びます。
- ワークライフバランスを最重視する人。社長の都合に合わせるため、夜間・休日の対応も発生します。
- 断られることが強く堪える人。ソーシング段階では、届かないことのほうが圧倒的に多い仕事です。
「向いていない」と感じたら、正直にお伝えします。その場合も、分業型やFAS、事業会社のM&A部門など、同じ領域で別の入り方をご提案します。 無理に一気通貫を勧めることはありません。判断材料を増やすための面談だとお考えください。
年収は、たしかに跳ねる。
ただし平均値の読み方に注意。
上場するM&A仲介各社の平均年収は、日本の給与所得者平均(478万円)を大きく上回ります。 ただしこれは全社員の平均であり、1年目の想定年収ではありません。 多くの会社が固定給+成約インセンティブの構成をとるため、同じ会社の同じ年次でも、年収は数倍の幅で開きます。 面談では、各社の固定給レンジとインセンティブ設計の違いまで踏み込んでご説明します。
同じ「M&A」でも、
任される範囲が違います。
大きな一件を自分でまとめきりたい方には、上段の2つを軸にご提案します。※ 具体的な社名は面談時に個別にご案内します。
一気通貫型のM&A仲介
ソーシングからクロージングまで、一人の担当が全工程を持つ体制。自分で見つけた案件を、自分の設計でまとめきれます。成約額がそのままインセンティブに反映されるため、上限は本人の力量次第。上場企業から中堅まで存在します。
独立系ブティック・中堅仲介
特定業種や地域に強みを持つ少数精鋭。ほぼ全社が一気通貫で、早い段階から主担当を任されます。業種特化ゆえに単価の大きい案件に食い込めることも。教育は完全に現場中心で、自走できる人に向きます。
分業型のM&A仲介(大手)
工程ごとに担当が分かれ、研修と案件供給の仕組みが整った体制。未経験の立ち上がりは最も早い反面、一件を通して担う経験は積みにくくなります。まず業界に入りたい方の選択肢です。
FAS・事業会社のM&A部門
財務デューデリジェンスやバリュエーション、あるいは買い手として自社の成長戦略を実行する側。営業色より分析・専門性が中心で、会計・財務のバックグラウンドがある方の受け皿になります。
※ 上記は環境イメージです。実在の企業名・ロゴは含みません。ご経験と志向に合わせて、最適な求人をご提案します。
「受かる」より、
「入ってから続く」を優先します。
M&A業界は入社後の離職も少なくありません。だからこそ、選考対策と同じくらい、適性の見極めに時間をかけます。
初回面談
これまでのご経験、志望理由、譲れない条件をうかがいます。この段階で向いていないと感じた点も正直にお伝えします。(オンライン30〜60分)
選択肢の整理
仲介・ブティック・FAS・事業会社。報酬設計と働き方の違いを並べ、どこが現実的かをすり合わせます。
求人提案・書類作成
非公開求人を含めてご紹介。職務経歴書を「M&Aで再現できる力」が伝わる形に組み直します。
面接対策
各社の評価軸に合わせた対策。この業界特有の「なぜM&Aか」「なぜ当社か」への答え方を一緒に詰めます。
内定・条件交渉
固定給とインセンティブの内訳まで確認したうえで交渉。入社後の想定年収を具体的な数字で握ります。
入社後フォロー
最初の1件が動くまでが一番苦しい時期です。入社後も継続してご相談に乗ります。
ご相談の前に。
Q1未経験でも、一気通貫型に入れますか?▾
入れます。実際に、無形商材の法人営業や金融の法人渉外出身の方が未経験で入社しています。ただし分業型より選考は厳しめで、自分の裁量で数字を作ってきた実績があるかが問われます。M&Aの専門知識そのものはOJTで学ぶ前提の会社が大半です。
Q2求人票を見ても、一気通貫か分業か分かりません。▾
ほとんどの求人票には書かれていません。同じ会社でも部門や年次で運用が違うこともあります。当社では、実際に一人がどこまで担当しているか、主担当を持てるまでにどれくらいかかるかを個別にお伝えしたうえでご紹介します。
Q3未経験でも、大きな案件を担当できますか?▾
案件の規模は「担当できる資格」ではなく「自分でたどり着けるか」で決まります。一気通貫型では、自分で開拓した案件がそのまま自分の案件になるため、年次に関係なく規模の大きい会社に食い込む余地があります。逆に、会社から配分される案件を待つ働き方では規模は選べません。
Q4年齢の上限はありますか?▾
会社によります。20代〜30代前半はポテンシャル採用の枠が広く、30代後半以降は「これまでのネットワークや業界知見がソーシングに直結するか」が問われる傾向です。40代以降でも、特定業種に深い人脈をお持ちであれば十分に可能性があります。
Q5簿記や会計の資格は必要ですか?▾
必須ではありません。ただし決算書を読めることは早い段階で必要になるため、選考中に簿記3級程度の学習を始めておくと、志望度の裏づけとしても機能します。入社後に会社の支援制度で取得する方も多いです。
Q61年目の年収はどれくらいになりますか?▾
会社により大きく異なりますが、多くは固定給部分が前職水準を目安に設定され、そこに成約インセンティブが乗ります。ページ上の平均年収は全社員の平均であり、初年度から到達する数字ではありません。面談では各社の固定給レンジを実額でご説明します。
Q7激務だと聞きますが、実際どうですか?▾
楽ではありません。社長のご都合に合わせるため夜間・休日の対応も発生します。ただし会社によって差は大きく、分業体制や案件アサインの仕組みで負荷をならしている会社もあります。ここは求人票では見えないため、実態をお伝えしたうえでお選びいただきます。
Q8在職中でも相談できますか?費用は?▾
はい、ご相談者の多くが在職中です。面談はオンラインで平日夜・休日も対応し、選考の日程調整は代行します。ご相談から入社後のフォローまで、求職者の方に費用は一切かかりません。
Q9まだ転職を決めていないのですが。▾
問題ありません。業界の実態を知るための情報収集だけのご利用も歓迎です。適性がないと感じた場合はその旨をお伝えしますので、無理におすすめすることはありません。
どこまで自分で担えるのか。
そこから、確かめませんか。
どの会社が一気通貫で、主担当を持てるまでに何年かかるのか。固定給とインセンティブの実際は。求人票に書かれていないところからお話しします。
